風通しのよい家で快適に心地よく

今回は「家の風通し」というテーマで設計目線のポイントを書いていきます。

みなさんが一生懸命、時間や労力をかけた自慢のマイホームがいつまでも快適に長く生活するためにどうしたらよいのか?
その方法の一つとして家の風通しを考えておく必要があります。

あとで簡単に取り付けることが出来ない窓だからこそ、あらかじめ間取りの段階で設計士と考えることが重要になってきます。

それでは家の風通しがなぜ大切なポイントなのかを解説していきます。

風通しのメリットとは?

風通しがよいことで得られるポイントを3つご紹介します。

  1. 外からの風で部屋の中を涼しくする
  2. 暖まった空気やジメジメした空気を外に出してくれる
  3. 自然の風が肌に触れることで気持ちがよくなる

風が家の中に入ることで家全体を涼しくしたり、こもった暖かい空気を外へ排熱することで家の中の空気を循環させて新鮮な空気を取り込むことが出来るのです。

それに人は風を感じることでリラックスする効果があると言われています。
ふわっとした風が肌に触れたり、風に乗って自然の音や香りを五感で感じることによりリラックス状態になるとされています。

現代の住宅は家の中を空気が循環するように換気システムの導入が義務づけられています。

なので外からの空気を取り込む必要性が少なくはなりましたが、風を感じることでリラックスしたり、エアコンの使用量も減らせるメリットがあります。

風通しを考えないデメリットとは?

風通しが悪いことで、こんなデメリットが発生してしまいます。

  • 湿気がこもりやすくなり、結露やカビが発生しやすい
  • 部屋のにおいなどがこもりやすい
  • ハウスダストが室内に滞留しがちに
  • 熱がこもりやすい
  • 部屋干しが乾きにくい

他にも家具やドアなどの建具、家自体の寿命を短くしてしまいます。

なぜ家の寿命も短くなってしまうのか。

人が住まなくなった家は劣化しやすいとよく耳にします。
その原因は人が住んでいないことで、換気による空気の入れ替えが出来ないからです。
湿気が家の中にこもり、木造住宅の重要な部分である壁や床が傷むことで家の劣化を早めてしまうのです。

夏の30℃を超える時期や雪の降るような時期は別として、家の中を風が抜けないことで、春や秋になってもエアコンが手放せないということになると、その結果光熱費が余計にかかってきます。

あとから窓を付けたいと言っても、簡単に工事は出来ずに後悔することもあります。なので設計の段階で間取りと同時に、窓の数や風の通り道を考えておくことが大事になります。

風通しを考えた家づくりをするポイントを紹介

それでは実際にどうやって窓を配置していけば効果的なのか解説していきます。

①部屋に窓を2か所設置する
風の通り道には入口と出口を考えましょう。 1か所だけあっても、空気がうまく循環することが出来ないのです。

おススメは部屋の対角線、または対面に配置することです。
例えば南側に1か所、北側に1か所。そうすることで入口と出口ができるので空気が循環します。

もし窓が1か所しか配置できない場合は、ウインドキャッチ連窓が便利です。

ウインドキャッチ連窓とは、FIX窓の両側にたてすべり出し窓(たて方向を回転軸に、室外側へ開く窓)がついた3つの窓を組み合わせたものです。

両側に設けた窓を開けると一つの窓でありながら、入口と出口がつくれます。

 

②天井近くに窓を設ける
空気は温度によっても性質が変わってきます。暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降していきます。

例えば夏になると、2階の部屋が妙に暑い。エアコンをつけても冬は足元が温まりにくい。
これは空気の性質によるところが大きいのです。

暖まったこもった空気をスムーズに入れ替えるためには、家の上の方に窓を設置することで解消します。
1階のリビングの窓から入った風が、2階の窓から抜けていくイメージです。

例えば吹抜けがある住宅では2階部分に窓があることで下から入った風が抜ける出口になります。
他にも天窓があることで暖められた空気の出口になります。

 

③南と北を基本に風の通り道を考える
日本には四季があり、春夏秋は比較的に南から北へ風が吹きます。

基本的な考えとして、南から空気を入れて北から出すことを考えておくことで、どの季節でも快適に過ごせます。
ですが、冬には冷たい北風が吹きますので、北側に窓を多くしてしまったり、大きな窓を設けてしまうと室内が冷えやすくなってしまいます。

 

④家全体で空気が循環するように考える
窓があまり設けられなかったり、部屋の一か所にしか窓が取り付けられない場合などにも効果的ですが、家全体で風が通るように計画することも重要です。

窓が1か所しか設置できない部屋でも、室内の出入り口を開きドアから引き戸に変えることで、戸を開けた状態だと2か所となり風が通る出入り口が出来ます。

他にも内壁に室内窓を付けることで、空気の循環が簡単に行えます。

ここまでご紹介したように、ただ窓をたくさん配置すればいいわけでもないのです。
実は窓が多いことで家の耐久性や耐震性にもかかわってきます。

家には「耐力壁」と呼ばれる家を地震や強風から守る壁を設置するのですが、窓が多いと耐力壁の数も少なくなり、その結果、耐震性能に影響してしまうこともあるのです。

今回は、家の窓の数や効果的な配置について紹介してきました。
家の窓は多すぎても少なすぎても家や人への影響が大きく、どうやってバランスを取るのかが重要になってきます。

「風通しのよい家」は、空気がすーと通り抜けて気持ちのよいものです。
建物そのものにとっても、人にとっても健康的に過ごせる環境をつくりだしてくれます。

それだけでなく、湿気やカビ対策、健康面でのメリットなど良い点がたくさんありますね。

風通しは立地などの条件もかかわってきますが、間取りや窓の付け方で改善できる場合もあります。
設計の段階からしっかり考えて、家族と共に長く暮らしていく家ですので「風通し」のよさを考えて家を建ててみてはいかがでしょうか。

今回の内容を参考に、一度「窓」にも意識を向けてみてくださいね。

それではまた!

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