今回は屋根の正しい考え方についてお伝えさせていただきます。
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皆さんは屋根のことについて真剣に考えたことがありますか?
もちろん屋根って毎日見るわけでもないし、色々な方の話を聞いてもそんなに気にしてない方が多いように感じます。
ただ、実際には屋根が原因で雨漏りや事故が起きてしまったり、建物が弱くなってしまったりすることがあります。そして最終的にメンテナンスでたくさんの費用が必要になってくる可能性があるのが現実です。
そして一度雨漏りや事故が起きてしまったりすると、目には見えない構造躯体や壁などが腐ってしまって倒壊の恐れがあるので気になる方はぜひこの記事をご覧ください。
なので、今回の話では屋根に対して正しい知識を持ってもらい、屋根屋さんに任せるだけでなく、自分自身で指摘や注意の発見が出来るよう解説をしていきたいと思います。その中で『実際にどの素材を選んだ方が良いのか』屋根の形状についてやそのメリットデメリットについて解説をしていきます。
はじめに結論から伝えると、屋根で失敗しないために大切なポイントは
◇屋根の表面材 ◇屋根の形状 ◇下地の作り方
この3つにこだわる必要があります。理由としては屋根の表面材の選択は当たり前のように重要なんですが、そもそも『どんな屋根の形がいいのか』『屋根の下に使う下地材は何を使うのか』こちらは基礎的なではありますが、モノによっては費用がかさんでしまったり雨漏りになりやすかったり、家の断熱性能が低下する場合もあります。
屋根は雨や日射から家や家族を守る役割がありますが、同時に断熱や気密、家のデザイン全てにおいて関わってくるとても大事な役割を果たします。
最低でも30~40年と暮らすマイホームで上記の機能を果たさないと家に長く暮らす以上、ストレスや不満にもつながりかねません。
なので今回は後悔しないようにわかりやすく伝えていこうと思いますので、ぜひ気になる方はご覧ください。
では屋根の表面材(素材)について解説をしていきましょう。
屋根の表面材は大まかに分けて
スレート
瓦
ガルバリウム鋼板に分かれます。
簡単にお話しすると、下の図を見てみてください。
見てもらったらわかると思うんですが、見た目も性能もバラバラです。現状はスレートが多く使われていますが、最近の家だとガルバリウム鋼板を使って『かっこいい家』を作っている住宅会社も増えてきているのではないでしょうか。昔ながらの瓦は少しずつ減少しているイメージです。
これら3つは同じ屋根材でも価格や見た目、さらには機能まで全く違います。
3つの素材で注目すべきポイント
初期コスト
メンテナンスコスト
デザイン
断熱性
耐風性
耐震性
防音性
以上の7つになります。
スレート
まずシェアの多いスレートですが、メリットとして初期コストが安いのとデザインがシンプル。あとは耐震的に軽いので有利なので、一時期かなり流行りました。
デメリットとしては台風の時に軽いのが原因で飛んでいってしまうということです。あとは15年に変えなくてはいけないなど2つのデメリットがあります。
瓦
次に瓦ですが、これは古くから使われている素材で今では、いろんなテイストに合わせて瓦の種類を変えたりすることができます。
瓦のメリットは陶器で出来ている為、断熱性が高く太陽などの日射から建物を守れること。そして60年近くは塗り替えが不要などの耐久性があります。
デメリットとしては阪神大震災以降、耐震的に瓦の重さが影響して多くの倒壊が生じました。それ以降極端に使う人が減っています。あと、初期費用が3つの中で1番高いです。
ガルバリウム鋼板
最後は今一番選ばれているガルバリウム鋼鈑についてです。
ガルバリウム鋼鈑のメリットは金額も瓦と比べて安く耐久性も30年ぐらいはもちます。そして、1枚1枚が長いので台風のあおりを受けたとしても、はがれにくいことです。デザインも見た目がシンプルなので、いろんなテイストの建物と相性が良くて合わせやすかったり、重さも瓦と比べると1/10ぐらいなので耐震的にかなり有利です。
デメリットとしては、0.4ミリ位の薄い板金を張っているので、その屋根材自体にもちろん断熱性能も防音性能も備わっていないことです。なので、屋根裏が暑くなったり、雨の日には雨音が聞こえたり、真夏とかで表面温度の70°ぐらいまで上がってくる。など強度や構造には問題ないですけども、多少板金が伸縮してっていう音が聞こえることもあります。
おわかりいただけましたでしょうか。
素材それぞれに特徴があり、いくら価格が高かろう安かろうでも耐久年数含めて考えるとお得になる可能性が大いにあります。
そういうものを加味してぜひ検討してみてください。
切妻
寄棟
片流れ
差掛
陸棟
の5種類があって、それぞれメリットデメリットが存在します。
コストに関しては多少の違いはありますが、そんなに気にしなくていいと思います。
屋根の形状で、大きく変わってくるのが雨漏りのリスクです。複雑な屋根の形状だと、隙間ができやすく、雨漏れのリスクが増えてしまいます。
今回紹介した屋根の形状の中だと一般的には
①切妻→②片流れ→③差掛→④寄棟→⑤陸棟
の順番で雨漏りのリスクが上昇して行きます。
あとはそれぞれの屋根の傾き勾配の角度が変わることで、雨漏りのリスクも変わってくるので、注意がとても必要です。
この勾配が急であればあるほど水が流れやすくなるので、雨漏りのリスクは減ります。逆に勾配が緩ければ緩いほど水が溜まりやすくなって雨漏りのリスクが高くなります。
なので、陸屋根のような勾配部がフラットなデザインはシンプルでおしゃれに見えますが、一番雨漏りのリスクは高くなります。
あとは屋根の軒についてです。軒はこれです。
外壁を雨だれで汚したくないということは、最低でも50cmぐらいは外壁から軒の出る長さを確保したほうがいいです。
最近だと全く軒を出さないシンプルなデザインも人気になっておりますが、実はこれは施工の納め方が難しく、専用の部材を適切に施工しないと外壁の通気や屋根の通気が不十分になって構造材を腐らせてしまう可能性があります。住宅会社の情報量の多さやと施工する職人のレベルの違いによっても大きく差が出てしまいます。なかなか職人のレベルなどは把握しずらいと思いますが、意識したうえで、家づくりを考えてみてください。
表面材をどれだけ良いものにしても、屋根の形状をどんなにカッコよくしても、下地がだめなせいで構造材が腐ったり劣化してしまったらまったく意味がありません。地震や台風の影響でも壊れてしまうかもしれない。それでは屋根にいくらお金を掛けても無駄になってしまいます。
ではそうならない為に何を考えなければいけないか?というと
①断熱
②気密
③通気
この3つになります。
ここからは聞いたことあるけどなかなか知らないワードも出てきますのであらかじめご紹介させていただきます。
〇断熱=外気の熱を家の屋内に侵入させないことを言います。
〇気密=家にはたくさんの隙間がありますが、その隙間を数値化したもの。
だからこそ気密性が高い=家に隙間がないことを意味します。
〇結露=外と中の寒暖差で空気中の水分が水蒸気になること。
屋根の断熱をしないと太陽光などの日射熱が直に家に入ってきてしまいます。なので家全体が熱くなってしまいます。だからこそ断熱の処理は必要不可欠ですが、同時に適切な気密の処理と通気の施工をしてあげないと、結露が発生して構造材に結局被害が出てしまいます。なので、住宅会社の人と屋根について打ち合わせをする場合は、屋根の表面材や形状の話だけではなくて、どのような断熱方法、気密方法や通気方法を行なっているのかも必ず確認するようにしてください。
正直住宅会社はプロです。自分自身が分からなくても大丈夫なので、きちんと相手側が説明をしてくれて理解できそうなのかを把握してください。しっかり屋根までも配慮されているのか、施工方法に根拠があるのかを、確認するようにしてください。
しっかり丁寧に説明してくれて、その説明が安心できて共感できるなら特に問題ないと思います。無いと思いますが、はぐらかされたりとか適当にスルーされたりしたら、要注意です。
『たかが屋根1つ』けれども『屋根1つで他の部位を腐らせるし、生活に悪影響を及ぼす』ことをしっかり認識して選ぶようにしましょう。