家の気密性が必要なわけを解説します

はじめに

家づくりを考える際、「気密性」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。

この気密性というのは、家の外からの空気の侵入や、室内の空気が外に漏れるのを防ぐ性能のことです。この性能が高いと、家の中の温度や湿度が安定し、快適な環境が保たれるということです。

しかし、気密性が不足しているとどうなるでしょうか?隙間風が入り込んだり、冬は家の中が寒くなりやすく、夏は冷房の効きが悪くなったりと、エネルギー効率が低下します。結果として、暖房や冷房にかかる光熱費が増え、家計に影響が出ることも。さらに、湿気がこもりやすくなり、結露やカビの発生にもつながりやすくなります。

つまり、気密性の良し悪しは、住み心地だけでなく、長期的な家の維持費にも直結する重要なポイントなのです。これから家を建てるにあたって、気密性を意識することは、快適な生活を送るための大切なステップと言えます。

気密性の基本知識

気密性とは、住宅の外部と内部の空気の出入りをどれだけ防げるかを示す性能のことです。具体的には、家の壁や窓、ドアなどから外気がどれだけ侵入するか、あるいは室内の空気がどれだけ外へ漏れるかを測定します。

気密性を具体的に評価するための指標として「C値(相当隙間面積)」というものがあります。C値とは、建物全体の隙間面積を床面積で割った値で、数値が小さいほど気密性が高いことを意味します。例えば、C値が1.0以下であれば高気密住宅とされており、理想的な数値です。

気密性のメリット

気密性の高い家には、多くのメリットがあります。まず、冷暖房効率が大幅に向上します。気密性が高ければ、室内の温度が外気の影響を受けにくいため、エアコンや暖房器具の使用量が減り、光熱費の削減につながります。

また、一定の室内温度を保つことで、夏は涼しく、冬は暖かい快適な生活が送れるようになります。

さらに、結露やカビの発生を防ぐ効果もあります。気密性が低い家では、外気と室内の温度差が大きくなるため、結露が発生しやすく、これが原因でカビが繁殖することがあります。気密性が高い家では、このリスクが大幅に軽減されます。

気密性が低い場合のリスク

逆に、気密性が低いとどのような問題が起こるでしょうか?

まず、隙間風が入りやすくなり、冬場は暖房をつけても部屋がなかなか温まらない、夏場は冷房が効きにくい、といった現象が発生します。その結果、冷暖房の設定温度を上げざるを得ず、電気代がかさむことになります。

さらに、結露が頻繁に発生し、長期的には住宅そのものにダメージを与える可能性があります。壁や天井にカビが発生すると、家全体の寿命が短くなり、修繕費用が増えるだけでなく、住む人の健康にも悪影響を与えるリスクがあります。

気密性は、快適で健康的な住まいを実現するために欠かせない要素です。家づくりの初期段階から、この重要なポイントをしっかりと押さえておくことが大切です。

断熱性との違い

まず、「断熱性」とは、外からの熱の影響を防ぎ、室内の温度を保つ性能を指します。断熱材を使って、冬は室内の暖かい空気が外に逃げるのを防ぎ、夏は外からの熱を遮断することで、快適な室温を維持します。

例えるなら、断熱性は家全体にブランケットをかけて、外気から守る役割を果たしていると言えます。

一方、「気密性」は、家の隙間からの空気の出入りを抑える性能です。家全体に目に見えないバリアを張り、外の空気を遮断し、室内の空気が漏れないようにする役割を担っています。

気密性が高いと、空調の効率がよくなり、エネルギーのロスが少なくなります。

つまり、断熱性が家の温度を保つための「外側の防壁」だとすれば、気密性はその「内側のシールド」とも言えるのです。この二つの性能が揃ってこそ、家全体の省エネ性や快適さが向上します。

両者をバランスよく設計するためのポイント

気密性と断熱性は、それぞれ別の役割を持ちながらも、互いに補完し合う関係にあります。どちらか一方だけを重視しても、快適な住環境は得られません。

たとえば、どれだけ断熱性が高い家でも、気密性が低ければ隙間から冷たい空気が入り込んでしまい、冷暖房の効果が薄れてしまいます。

逆に、気密性が高くても断熱材がしっかりしていなければ、室内の温度は外気の影響を受けやすくなります。

そのため、気密性と断熱性のバランスを考えた家づくりが重要です。具体的には、断熱材の選び方だけでなく、サッシや窓枠の素材、ドアや床下の施工方法にも注目する必要があります。また、建築時には小さな隙間までしっかりと気密処理を行うことが大切です。これらを計画的に進めることで、気密性と断熱性が両立した理想的な住まいを実現できます。

 まとめ

家づくりにおいて「気密性」を重視することは、快適で省エネな生活を実現するために欠かせない要素です。気密性が高い住宅は、エネルギー効率が良く、冷暖房費を抑えることができるだけでなく、結露やカビの発生を防ぐことで、家そのものの寿命も延ばすことができます。

さらに、快適な室温を保ち、隙間風や温度のムラを防ぐことにより、住み心地も大きく向上します。

一方で、気密性が不足すると、隙間風や結露などの問題が発生し、快適な生活環境が損なわれるだけでなく、光熱費も高騰する可能性があります。このようなリスクを避けるためには、計画段階からしっかりと気密性を考慮した設計が必要です。住宅性能を高めるには、気密性と断熱性のバランスが重要であり、この両者をうまく組み合わせることで、理想的な住まいが実現します。

また、気密性の高い住宅を建てるには、施工業者とのコミュニケーションが鍵です。気密性に対する専門知識と実績を持つ業者を選び、設計から施工までしっかりと確認することで、ミスを防ぎ、理想の住まいを実現することができます。

家づくりを始める際は、気密性を重要視することで、長く快適に住める家を手に入れることができるでしょう。ぜひ、気密性を高めるためのポイントをしっかり押さえて、理想の家づくりに取り組んでください。

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