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全館空調は本当におすすめ?特徴や注意すべき点とは?

はじめに

家の中を快適する手段はいくつかありますが、今回は全館空調について解説していきます。
家づくりを進める中で、「家のどこにあっても快適な温度で過ごしたい」、「エアコンの設置台数を減らして、すっきりとした空間を作りたい」――そんな希望を叶えるのが全館空調です。

最近は、注文住宅やリフォームを検討する人の中で、この空調システムが注目を集めています。
聞いたことはあるけどどんな設備なのか分からない、という方に分かりやすくお伝えしていきます。

全館空調のメリットやデメリット・対策について詳しく解説し、どんな人に向いているのかを整理します。また、他の冷暖房設備との比較も行い、あなたの家づくりに適した選択ができるようサポートします。
全館空調が本当に自分に合うのか、一緒に考えていきましょう!

全館空調とは?基本的な仕組みを解説

全館空調とは、家全体を1つのシステムで空調管理する仕組みのことです。
通常、各部屋にエアコンを設置して冷暖房を行うのに対し、全館空調は1つの空調ユニットとダクトを使って、家全体に均一な温度の空気を供給します。

なぜ今、全館空調が注目されているのか?
従来の住宅では、気密性や断熱性が十分でないケースが多く、全館空調を導入してもエネルギー効率が悪かったのです。そのため、従来の住宅では全館空調のメリットを十分に活かせず、導入コストやランニングコストが高くなりがちでした。

しかし、最近の住宅は高気密・高断熱化が進み、エネルギー効率が向上したことで、全館空調の効果を最大限に発揮できる環境が整っています。

全館空調のメリット

全館空調の最大の魅力は、家全体を均一な温度・湿度に保つことです。

<1> 家全体が快適な温度に保たれる
リビングは暖かいのに、廊下やトイレが寒い…
部屋の場所によって温度が変わることなく、家のどこに居ても同じ暖かさで生活できるようになります。

<2> エアコンの設置が不要でスッキリとした空間に
通常のエアコンは、部屋ごとに設置するため、壁や天井に存在感が出てしまいます。 ただし、全館空調ならエアコンを設置する必要はなく、インテリアの自由度が向上します。

<3> 空気が清潔に保てる
全館空調のシステムには、高性能フィルターが搭載されていることが多く、花粉・ホコリ・PM2.5などの微粒子を除去できます。新鮮な空気を取り入れながら、汚れた空気を排出することも可能です。

<4> 省エネ設計で光熱費の節約が可能
「全館空調は電気代が高いのでは?」と不安に思う方もいるかも知れません。全館空調は高性能な省エネ設計が進んでおり、光熱費を抑えられるケースが多いです。

<5> 家全体の温度管理がしやすい
部屋ごとにエアコンを調整する手間がなく、一括で温度を管理できるのも全館空調のメリットです。 夏は涼しく、冬は暖かい状態を自動で維持できるため、 「エアコンつけっぱなしにしなくてもいいの? 」というストレスからも解放されます。

全館空調のデメリット

全館空調には多くの利点がありますが、デメリットも存在します。

<1> 初期費用が高い
全館空調の最大の準備は、導入コストの高さです。設備の種類や設置費用は数百万円かかることも。
一般的なエアコンであれば1台10〜30万円程度で設置できますが、全館空調はそれよりも圧倒的に高額です。予算に余裕があるか、ランニングコストで回収できるのかしっかり考えましょう。

<2> メンテナンスが必要
全館空調は、一度設置すれば終わりではありません。定期的なフィルター清掃や点検が必要であり、場合によっては業者に依頼することもあります。
特に、フィルターの汚れを放置すると空気の質が急激に変化し、冷暖房効率も低下してしまいます。
また、10〜15年程度で設備の更新が必要になることも多く、メンテナンス費用や交換コストもそれなりに必要です。

<3> 災害時のリスクが大きい
全館空調は家全体を1つのシステムで管理しているため、万が一故障した場合、家全体の冷暖房が徹底的に注目してしまうというリスクがあります。
通常のエアコンなら、1台が故障しても他の部屋のエアコンで対応できますが、全館空調の場合は一度すべてが使えなくなる可能性があります。さらに修理が必要になった場合、専門の業者でないと対応できないケースもあります。

<4> 間取りの自由が制限されることも
全館空調は、ダクトを家の中に張り巡らせる必要があるため、設計時にダクトの配置を考慮する必要があります。そのため、希望する間取りや天井の高さに制約が生じることがあります。
特に、吹き抜けや勾配天井を取り入れたい場合、ダクトの通し方によっては設計の自由度が下がる可能性があります。

また、ダクトスペースを確保するために、収納や天井裏のスペースが狭くなることも考えられます。
そのため、間取りの自由度を重視する場合は、全館空調を導入する際に設計士と十分に相談し、最適なプランを検討することが重要です。

<5> 家の気密性・断熱性が重要
全館の空調性能を最大限に活かすためには、住宅の気密性・断熱性が高いことが前提となります。
家の断熱性能が低いと、せっかく暖めた(または冷やした)空気が外に逃げて、効率が悪くなり電気代がかさみます。
そのため、全館空調を導入する場合は、高断熱・高気密の家づくりをセットで考えることが重要です。

全館空調はどんな人に向いている? 他の冷暖房設備と比較

全館空調には多くのメリットがありますが、すべての人にとって最適な選択肢とは限りません。住まいの条件やライフスタイルによっては、他の冷暖房設備の方が適している場合もあります。

【全館空調が向いている人】
1. 家全体の快適性を重視する人
「冬の寒い廊下や夏の暑い部屋とは無縁の生活をしたい」という方には、全館空調対策にも最適です。 部屋ごとの温度差が少なく、家全体を快適な空間に保つことができます。

2. デザイン性を優先、エアコンを見せたくない人
全館空調は、エアコンの室内機を各部屋に設置する必要がないため、壁や天井をすっきりとしたデザインにできます。 インテリアにこだわる方や、「エアコンの存在感が気になる…」という方には、大きなメリットがあります。

3. アレルギー対策したい人
花粉や花粉、PM2.5などの微粒子を除去できるフィルターを搭載している全館空調も多く、室内の空気を清潔に保ちやすくなります。 特に、アレルギーや喘息を持つ方、小さなお子さんがいるご家庭には、健康的な室内環境にできるのでおすすめです。

【全館空調が向いていない人】
1. 初期費用を抑えたい人
全館空調の費用導入は、一般的に数百万円かかります。 通常の個別エアコンなら1台10〜30万円程度で設置可能なので、とにかく初期費用を抑えたい方には、個別エアコンの方が現実的な選択肢となります。

2. 小まめにエアコンを使いたい人
「寝室だけ冷やしたい」「リビングは暖かく、寝室は涼しくしたい」といった細かい温度調整を好む方には、全館空調はあまり向いていません。家全体を均一な温度に定めるため、部屋ごとに温度を変えたい場合には個別エアコンの方が適しています。

まとめ

ここまで、全館空調のメリットやデメリットをお伝えしてきました。
結局のところ、全館空調は導入すべきなのか?その答えは、あなたの住まいの条件やライフスタイルによって異なります。

①住宅の気密性・断熱性を確認する
全館空調は高気密・高断熱の家でこそ、本来の性能を発揮します。 断熱性能が低い家では、せっかく温めたり冷やしたりした空気が外に逃げてしまいそうです、エネルギー効率が悪くなります。

②初期費用とランニングコストのバランスを考える
導入コストは高いもの、家全体の空調効率が良くなることで、長期的に見ればランニングコストが抑えられるケースもあります。

③メンテナンスの手間を考えて
定期的なフィルター掃除や点検は避けられません。フィルターの交換頻度や、専門業者に依頼する必要があるかなど、維持管理のしやすさも事前に確認しておきましょう。

全館空調は、「家全体の温度を快適にしたい」「エアコンのないスッキリした空間にしたい」「空気の質にこだわりたい」という人にとってはメリットがあります。
導入を検討する際には、住宅の性能やコストバランスをしっかり考えた上で、自分のライフスタイルに合うかどうかを見極めることが重要です。

快適な住まいづくりのために、自分に合った冷暖房システムを選んでください!

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