暮らしが変わる!快適な駐車スペースのつくり方

はじめに

家づくりと聞くと、間取りやキッチン、収納にばかり目がいきがちですが、意外と見落とされやすいのが「駐車スペース」です。
「とりあえず車が停められればいいでしょ?」と軽く考えてしまうと、後々「こんなはずじゃなかった…」と後悔することになりかねません。

実際、家が完成してから「車の出し入れが思った以上に大変」「雨の日に濡れながら車に乗るのがつらい」「そもそも車が入らない」など、駐車に関するトラブルは少なくありません。

また、駐車スペースの考え方は、今のライフスタイルだけでなく、将来の家族構成や車の買い替え計画にも関わってきます。
今はコンパクトカー1台でも、数年後にはミニバン+子ども用の車が必要になるかもしれませんし、将来的に親との同居や来客の機会が増えることもあるでしょう。

つまり、駐車スペースの計画は「いま」と「これから」を見据えた暮らしの土台のひとつなのです。
せっかくのマイホームですから、「駐車のたびにストレスがたまる家」よりも、「車の出し入れもスムーズで、快適に暮らせる家」にしたいですよね。

駐車スペースに必要な基本的な大きさとは?

せっかく素敵なマイホームが完成しても、「車がうまく入らない!」「ドアを開けたら壁にゴツン!」なんてことになっては台無しですよね。

<1> 車1台分に必要な基本サイズは?
一般的な乗用車1台分の駐車スペースとして目安になるのは、幅2.5メートル×長さ5メートルほどです。
これはあくまで標準的なサイズであり、コンパクトカーならもう少し狭くても大丈夫ですが、ミニバンやSUVなどを所有している場合は、もう少し余裕を持たせた寸法が必要になります。

ちなみに、車幅が2メートル近くある大型車も珍しくない昨今、「うちは大丈夫だろう」と思っていると意外とギリギリ、というケースも少なくありません。

<2> ドアの開閉スペースもお忘れなく
駐車スペースの設計では、車そのもののサイズだけでなく、ドアの開閉や乗り降りのしやすさも重要です。左右に余裕がないと、となりの壁やフェンスに気を遣いながらの出入りになってしまい、毎日プチストレスが発生します。

子どもを乗せたり、高齢の家族が利用したりする場合は、さらに広めに設計するのが理想的です。荷物の積み下ろしやベビーカーの出し入れなども想定しておくと安心です。

<3> 屋根をつけるなら「柱の位置」に注意
カーポートや軒下を駐車スペースとして活用する場合、柱の位置や高さにも注意が必要です。柱が絶妙な位置にあると、「おしい!ミラーが当たる…!」なんてことも。車の大きさと開閉動作をシミュレーションしながら、設計段階でしっかり確認しておきましょう。

また、屋根の高さが低すぎると、ルーフボックスを積んだ車やハイルーフ車が入らない場合もありますので、「うちの車、高かいかも?」という方は要チェックです。

何台分の駐車スペースを確保すべき?

駐車スペースの広さを考えるうえで、まず気になるのは「何台分あれば安心なのか?」という点ではないでしょうか。現時点で車が1台しかないご家庭でも、数年後には「え、もう1台必要かも…?」なんてこと、実はよくあります。

たとえば、お子さまが成長して免許を取ったときや、家族で別々に通勤・通学をするようになったとき。「パパの車があるから乗れない~」なんて朝の家庭内ラッシュは、避けたいところです。

また、来客用の駐車スペースも意外と盲点です。親戚が遊びに来たり、友人が立ち寄ったり…。そのたびに「近くのコインパーキングを探してください」とお願いするのは、ちょっと気が引けますよね。では、実際にどれくらいのスペースを確保すれば良いのか?ライフスタイル別におすすめの駐車台数を挙げてみます。

■ 夫婦ふたり暮らしの場合
基本は1〜2台分でOK。ただし、趣味でバイクやキャンピングカーを所有する予定がある場合は要注意です。「将来、キャンピングカーで全国まわりたいね」なんて夢もスペースがなければただの夢で終わります。

■ 子育て世帯の場合
最低2台、できれば3台あると安心。送迎や買い物、学校行事など、車を使うシーンは想像以上に増えます。さらに、将来お子さまが自分の車を持つことを考えると「今はまだ早い」ではなく「そのうち必要」と考えるのが現実的です。

■ 二世帯住宅の場合
世帯ごとに1〜2台、合計で3〜4台分は見ておきたいところです。「お父さんが車を出すまで、私が出られない…」なんてことがないように、並列で駐車できる配置もポイントです。

駐車スペースは、「今の暮らし」に合わせるだけではなく、「未来の暮らし」にも対応できるかが大切です。土地に余裕があるなら、最初から少し広めに確保しておくと、のちのち「作り直し」「停められない」なんて後悔を避けられます。

ちなみに、筆者の知人は「車は1台で十分」と豪語していたにもかかわらず、2年後には3台に増えて、庭の一部を泣く泣く砕石で固めたそうです。未来って、ほんとに読めないものですね。

駐車スペースの種類を比較

家づくりにおいて「どんな駐車スペースをつくるか?」は、意外と悩ましいポイントのひとつです。そこで今回は、代表的な4つのタイプをそれぞれの特徴や向いているご家庭の傾向などを比べてみました。

<1> オープン駐車場(青空駐車)
特徴:最もオーソドックスで、敷地にスペースさえあればすぐに導入できるスタイルです。特別な構造物は必要なく、舗装するか砂利を敷くだけでもOK。

メリット
・施工費が安く済む
・出入りがスムーズで、ドアの開閉も広々
・将来的にカーポートやガレージへ進化可能

デメリット
・当然ながら、雨や雪、黄砂、花粉には無防備
・車の劣化が少し早まる傾向あり(特に塗装面)

こんな方におすすめ:「とにかくコストを抑えたい」「車は道具と割り切る派」の方にぴったりです。

<2> カーポート付き駐車場

特徴:屋根がついているため、雨の日でも乗り降りが快適。柱で支える簡易的な構造なので、比較的手軽に導入できます。

メリット
・車を雨や紫外線から守れる
・雪国では積雪対策にも有効
・洗車の頻度が減る(これは地味にうれしい)

デメリット
・柱の位置によっては、駐車時にちょっと気を使う
・デザインによっては見た目に重たさが出ることも

こんな方におすすめ:「車をきれいに保ちたい」「お子さんの乗り降りが多い」の方におすすめです。

<3> ビルトインガレージ

特徴:建物の1階部分にガレージを組み込んだタイプで、家と一体化しているのが特徴です。まさに「雨の日も風の日も、傘いらずで出勤OK」な暮らし。

メリット
・玄関まで濡れずにアクセス可能
・セキュリティ面でも安心
・収納スペースや趣味の空間にも応用可能

デメリット
・建築費がやや高め
・居住空間の一部を駐車スペースに割く必要あり
・間取りの自由度が少し下がる

こんな方におすすめ:「とにかく快適なガレージライフを送りたい」「雨の日のストレスをゼロにしたい」方に人気です。ガレージで趣味のDIYを楽しむなんていうのも夢じゃありません。

<4> ガレージハウス(趣味型+居住型)

特徴:家全体がガレージと融合しているような構造で、クルマやバイクが“主役”になる暮らしができます。いわゆる「愛車と暮らす家」です。

メリット
・クルマやバイクを眺めながら暮らせる
・デザイン性・自由度が高い
・「趣味と暮らしの融合」が叶う夢のスタイル

デメリット
・ガレージを優先するため、居住空間とのバランスが難しい
・ややマニア向け(家族の理解がカギ)

こんな方におすすめ:「愛車は家族です」「クルマを眺めながらお酒が飲みたい」という強い情熱をお持ちの方には最適です。ちょっと変わり種ですが、その分“とびきり楽しい家”になること間違いなし。

それぞれのタイプに良さがあり、どれを選ぶかは家族構成や予算、そしてなにより「車との付き合い方」によって変わってきます。
「車を守る」「便利に使う」「楽しむ」など、自分たちの暮らし方に合った駐車スペースを選んでくださいね。

まとめ

家づくりにおいて、駐車スペースは単なる「車を停める場所」ではなく、暮らしやすさに直結する大切な要素です。現在の車の台数やサイズだけでなく、将来的なライフスタイルの変化も見越した計画が求められます。

特に、子どもが成長して車を持つようになったり、趣味でバイクを購入したりと、生活環境は意外と早く変わるものです。短期的な視点だけで判断してしまうと、「もう1台分スペースを確保しておけばよかった…」という後悔にもつながりかねません。

また、駐車スペースの広さや位置は、日常の動線や外構デザインにも大きく影響します。例えば、玄関までの距離が遠かったり、勾配が急で出し入れが不便だったりすると、毎日のストレスにもなってしまいます。

だからこそ、駐車スペースは家全体の設計と合わせて「暮らしの一部」として考えることが重要です。
「車がある生活」をイメージしながら、サイズ・台数・種類・配置を総合的に検討することで、将来も安心して使えるスペースを確保することができます。

一度きりの家づくり。駐車スペースも「なんとなく」ではなく、しっかりと「計画的に」設けて、満足度の高い住まいを目指しましょう。

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